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MAY -メイ-
ホラー映画はこわいから見ない、と決めつけていた私の思い込みを覆してくれた映画。
ジャケットだけみて食わず嫌いはよくないなあとつくづく思った。
そもそもこれはホラーというよりは、切なくて悲しくて愛おしい青春映画だった。
メイは人との関わり方がわからなくて友達ができなかった内向的な女の子。唯一の友達は、お母さんが作ってくれた人形のスージーだけ。
そんなメイが恋をして、愛することを覚える。
だけど人との距離がうまくはかれないから、その強く純粋な愛情のぶんだけまっすぐに恋人にぶつかっていく。まるでストーカーのようにつきまとい執着する。
彼はそんな彼女を気味悪がり、やがて裏切る。
メイはただ愛し方を知らなかっただけなのに。
人との関係をうまく築けなくて傷つくメイ、そしてその強い愛情が狂気に変わったメイを見ていたら、痛々しくて切なくてなんともいえない気持ちになった。メイなりに頑張っていたのにね。
「完璧な友達」をつくりはじめたメイはどこか恐ろしかったけれども、何かから解放されたようにも見えた。(または解放されたかった?)
その友達にも純粋な愛情をそそく彼女。そしてあのラスト。メイはどこまでも純粋だった。
誰だって、愛情が狂気に変わることはあるのだろうなと思った。
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メメント
話題作で、しかも公開からかなり日が経っているので、賛否両論もろもろ耳に入れた上での鑑賞だったんだけど。なかなかどうして面白かった! 好きだわ、これ。
おそらく映画館で観ている=自分の都合で巻き戻せないから一瞬たりとも気が抜けない、という緊張感が、私をこの映画にのめり込ませた大きな要因のひとつでもあると思う。
いつもの倍以上に集中して、ひとつひとつのエピソードを頭に叩き込みつつ自分の中で前後関係を推測しつつ見るという楽しさ。ビデオ鑑賞だったら確実に巻き戻しながら観てたに違いないけれど、そしたらこの気持ち良い緊張感が味わえなかったってことか。ビデオ待ちしなくて良かった。(そう考えると、「オープン・ユア・アイズ」も劇場で観たらもっと好きになってたかも。惜しいことをした)
だけど、わたしがこの映画を気に入ったのは、そればかりではない。
最初は“はじめに結末を見せておいて、だんだん核心(妻殺しの真犯人)に迫っていく謎解きサスペンス”なのかと思ってたけれど、展開を追っていくうちに見方がガラリと変わった。
主人公レナードの心理状態というか苦悩というか狂気というかなんというか、とにかくそういったものがだんだんと見えてくるにつれ、「やめられない止まらない」状態になったのだった。
わたしの解釈では、これはレナードが自己の存在証明を追い求め続ける話。
きっと彼はこれから先も、“自己存在の証明”のため、そして自分を正当化するために、自分にとっての“ジョン・G”を見つけ殺人を犯すんだろう、と思う。記憶を保てない身となった彼は、こうすることでしか生き続けてゆけなくなってしまったのかもしれない。
人間の記憶なんてそもそも、都合のいいように咀嚼され脳に植え付けられるもので、たとえそれが“事実”であっても“真実”ではないということか。実際、彼の体に彫り込まれた「FACT」は彼にとっての「事実」でしかありえなかったように。
帰りの電車の中、それこそレナードのように片っ端からメモを取り、自分なりの解釈をまとめながら帰宅。こういう楽しみ方ができる映画って嬉しい。これはひょっとして、はまっちゃったかも。
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