90年代前半のニューヨークに現れた伝説のクラブ・キッズ、マイケル・アリグの半生を描いた映画。
鑑賞中まっ先に思いだしたのが、80年代後半のニューヨーク・ゲイカルチャーを描いたドキュメンタリー「パリ 夜は眠らない」。
あちらはドキュメンタリー故の生々しさがあったけれど、こちらはそのあたりがややショーアップされたような雰囲気。フィクションだってお手のものな「映画」という性質を利用してあの時代を捉えようとしたってことなのかな、と勝手に想像。
クールでファビュラスで空虚なクラブキッズたちを見ていて、わくわくしたしドキドキしたし切なくもなった。
セス・グリーン扮するジェイムズ・セント・ジェイムズが、自らの著書「ディスコ殺人事件」のパブリシティをする中で当時を回顧するところからはじまるオープニング。
田舎から出てきたばかりといった風情だったマイケルとの出会いから、奇妙な友情関係、上りつめるマイケルの絶頂時代、そして徐々に堕ちていく冬の時代。マイケルとボーイフレンドの関係や、グルーピー的な存在(?)の女の子との関係も描かれていく中で、それでもいつでも不思議とジェイムズは側にいて、つかず離れずの場所にいた。
そんなジェイムズの視点でこの映画を見ていたためか、本来はマコーレー・カルキン演じるマイケル・アリグが主人公なのかもしれないけれども、私にはジェイムズの映画に見えてしょうがなかった。
彼の目を通して見たマイケルは、愉快だし可愛いし無鉄砲だけれど痛々しくもあった。
そういえば、マイケルがボーイフレンドと喧嘩したんだったか出ていかれたんだったかでジェイムズに泣きつくシーン(だったと思うけどもしかしたら違うかも)で、マイケルがステレオをオンにしたとき流れてきた曲。あれがマイケルの心情を代弁しているかのように思えて、なんだかやけに記憶に残っている。
明るい曲調で「ねえ君が必要なんだ、いなくならないでよ」みたいな感じの歌詞で、その曲にのって2人で笑いながら踊るところ。
マイケルにとって、ジェイムズは兄のような親のような存在だったのかなと思うと、お互いの気持ちがなんとなくわかるだけにあのラストがどうにも切ない。
ただのカルチャームービーとは一概に言い切ってしまえないような、あの時代と文化を背景にして彼らの青春と享楽と苦悩をつづったような映画で、思いのほか入り込んでしまった。
前半の絢爛豪華でカラフルなクラブキッズたちの大騒ぎは、それだけでもわくわくして楽しかったし。ああいう雰囲気って大好き。
なんでもかんでも大好きな青春映画と結びつけて考えてしまうのは私の悪い癖かもしれないけれど、でもやっぱりこういうタッチの映画はどうしても好きになってしまうのかもしれない。
というか、よくよく考えてみたら、ヘドウィグとかロッキーホラーショーとかプリシラとかベルベット・ゴールドマインとかムーラン・ルージュが大好きな私が、これを嫌いだと思えるはずがないんだった。これは私が無条件に愛してしまうタイプの映画だ。やっぱり好きなんだな。
ちなみに、上述の作品の中でいうなら「ベルベット・ゴールドマインがいちばん好き!」って人に特に強くおすすめしたい感じです。
- Party Monster (2003/米) [IMDb]
- 監督・脚本:フェントン・ベイリー/ランディ・バルバート
- 原作:ジェイムス・セント・ジェイムス
- 出演:マコーレー・カルキン/セス・グリーン/クロエ・セヴィニー/ナターシャ・リオン/マリリン・マンソン
- http://www.partymonster.jp/
- シネマライズ
- Newer: チェイシング・エイミー
- Older: バンドワゴン
![TRICOLORE PARADE [CINEMA]](/cinema/theme/img/sitetitle.jpg)