ビデオで2度目。
グラマラスでスキャンダラスでゴージャス。まるでイミテイションの宝石のような、ギラギラしていてどこか空虚な感覚。悪趣味とスタイリッシュの狭間のような映像。やけにポップな音楽。そして、どんな人の中にもきっとあるであろう、青春時代の絶望感、残酷さ、虚勢、恥ずかしい過去。熱情。愛憎。虚無感。夢の終焉と現実の世界。
はじめて観たときは、行ったり来たりする時間軸や登場人物たちの関係、そして時代の背景や当時の風俗なんかがうまくとらえきれていなかったせいか「これ面白いな、好きな感じだな」くらいにしか思わなかったけれど、 2回目ともなると設定にすんなり入っていけたぶん強烈にのめりこんだ。そして確信した。誰が何と言おうとも、わたしはこの映画が好きだってことを。
まがいものだって、作りものだって、フィクションだって、いやはやノンフィクションだって、悪趣味だって、軽薄だって、この際なんだっていい。この感覚が大好きだ。
音楽は大好きだしロックも大好きだけれどグラムロックの洗礼は受けていないわたしだからこそ、当時の世俗やグラムロックがどんなもんだったか知らないわたしだからこそ、見知らぬ世界への憧れの気持ちが昇華して勝手に美化してしまってるだけかもしれない。いや、むしろそれこそが正直なところ。そう、わたしはこの時代と世界に憧れを持っているんだと再認識。
こわれてしまいそうなほどの妖艶な美しさを誇るブライアン・スレイド(ジョナサン・リース・マイヤーズ)も、男くさくて常に居心地の悪そうな顔をしながらもどこか繊細なカート・ワイルド(ユアン・マクレガー)も、過去に直面せざるをえないながらも現実を生きるアーサー(クリスチャン・ベール)も、そして彼らを取り巻く状況も、いちいち好きだ。
名義上はユアンの主演作ってことになってるみたいだけれど、わたしの中ではクリスチャン・ベール演じるアーサーこそが主人公。彼の視点こそが監督の視点、ひいてはわたしたち観客の視点なんではなかろうか。
そして、一度だったら絶対見のがしてた部分がたくさんあった。2度目なのに新たな発見がいっぱい。初見時と今回のあいだに映画「オスカー・ワイルド」を観ていたのも、強烈にのめり込めた一因だと思う。(この映画には、オスカー・ワイルドがモチーフとして登場する)
“主題より状況、思考より印象。考えるよりひらめき。人生はイメージだ。自分のイメージを描け。”こういった大意の台詞、映画「オスカー・ワイルド」にも出てきてた気がするのは気のせい?(気のせいかもな)。そしてここでも出てきた“ドリアン・グレイ”の名前。こうなったら「ドリアン・グレイの肖像」もがぜん読む気。
今現在のわたしの気分と嗜好に最高にリンクしたことだけは確か。そりゃ劇場で観たかったけれど、今こういった気分のときにこの映画を観られてよかったのかもしれない。おそらく2年ほど前の劇場公開時に観ていても、これほどまでに心酔できなかった思うし。気分と時期って重要。
そしていつか、劇場で観ることができたら最高。
- Velvet Goldmine (1998/英=米) [IMDb]
- 監督/原案/脚本:トッド・ヘインズ
- 出演:ジョナサン・リース・マイヤーズ/ユアン・マクレガー/クリスチャン・ベール/トニ・コレット
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